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楽法寺だより8月号

 

 どことなく「懐かしい」感じのするお盆の季節。

 肉体を離れた人たちが帰ってくるという想いなども手伝って、普段は忘れてしまっている
自分の命の源泉を感じたり、ふと、本当の自分に帰ることの出来る時間なのかも知れません。
このよき機会にお盆について学んでみましょう。
 正しくは「盂蘭盆会(うらぼんえ)」のことで、略してお盆といいます。
「盂蘭盆(うらぼん)」とは、梵語のウランバーナで、逆さまに吊(つる)されるような苦しみ
という意味です。盂蘭盆会は、その苦しみから救うための行事であり、仏教とともに
日本に伝わってきました。
 ご先祖さまの霊があの世から帰ってきて家族と一緒に楽しいひとときを過ごし、
また帰っていくという日本古来の信仰に基づく行事です。

お盆の期間

 亡き人を供養することは、私たち自身を強く励ますことです。
亡き人の幸いを願うとき、私たちの心も満されるはずですから‥
そのように、死者と生者とは、全く異なるものではありません。
 生者は死者によって生かされ、亡き人は私たちの願いによって生きる。
亡き人の霊と共に、み仏のいのちに目覚めたいと願い、
その機会を与えられた今に感謝する 、それがお盆のこころです。

 昔から日本人が大切にしてきた亡き人との交流の場、お盆。
久しぶりに我が家に帰ってくる御先祖さまをもてなすために、家の内外を清め、
仏壇の前には精霊棚を設け、ご馳走を供えました。13日の夕刻から目印の迎え火を焚き、
なすの牛やきゅうりの馬に乗っていただき、お経を上げて感謝の気持ちを表しました。
 そして自分のご先祖さまだけでなく、これまでに費やされてきた多くの尊い犠牲と、
今も支えてくれる多くの存在に感謝してきたのです。
 私たちはとても忙しい毎日を過ごしています。そして、古来から培われてきた大切な風習を
忘れてしまいがちです。 
 だからこそ、この孟蘭盆の季節にふと思い返してみることは必要なことではないでしょうか。

お盆の期間 

 孟蘭盆の行事が初めて文献にあらわれるのは、『日本書紀』、推古14年(606年)「この年より
初めて寺毎に4月8日、7月15日に設斎せしめき」という一文です。これがわが国における盆会
(「会」とは仏教語で「法要」を意味する)の始まりとされています。
 お盆は地方色豊かな行事です。地方では、8月1日を〝盆入り〟と呼び、
「盆路作り」といって精霊の通る道の草刈りなどをします。8月7日を「七日盆」と称して、お墓の
掃除や家のすす払いをし、7日目から12日の間に「花枝折(はなしおり)」といって、
お盆のための草花を野山に探りに行く風習もあります。

 

盆の行事が「二十日目盆」「八朔盆」などといって、8月20日、9月1日まで続くところも多く、
8月15日を中心として地方ではその期間に長短がままあるのが現状です。
 一般には、農作業が一段落する頃の8月13日から16日までの月遅れのお盆、
7月13日から16日の新暦のお盆があります。
関西では月遅れの8月のお盆が多く、関東では7月に行われるところが多いようです。
いずれも15日を中心に、13日(もしくは12日)を「迎え盆」、16日(もしくは15日)を「送り盆」と
いいます。

お盆の過ごし方 

 家族や親しい人が元気に集い、お仏前に供えられた「ふるさとの昧」を、ご先祖といっしょに堪能して、
人としての正しい信仰の日々を過ごすことは、「行」による大切な供養です。
 また、自分が今日までに受けた、数多くの人々のおかげを思い、ご先祖の前で自分の考え方、
生き方に誤りはないかと、静かに反省の時間を持つことが大切です。
 短い期間ですがお盆の中で得た、心の安らぎと感激を忘れないで、誰もが仲よく生きていくことを、
ご先祖にお誓いし、永遠に人類が平和で住みよい社会で暮らせるように努めたいものです。

 ご先祖さまが精霊棚にいらっしゃる間に、お坊さまをお迎えしてお経を挙げていただきます。
お経は「読」むものではなく、「挙」げるものです。精霊棚の前で挙げていただくので、「お盆の棚経
」または「お盆参り」と呼びます。
 百味の飲食を供えてご供養された目連さまの故事にならって、わが家のご先祖さまのみならず、
一切の有縁・無縁の仏さまたちをお坊さまと一緒にご供養いたしましょう。
  

棚経の準備と心得

まず精霊棚を設けます。精霊棚のないときは、お仏壇をいつものように清浄にしておき、
その前に台を設けて、盆花、盆飾り、盆供を供えましょう。
 とくに、お線香立ての香炉の灰の中もきれいにし、ロウソク立てには新しいロウソクを
立てておきます。
お霊膳は必ずお供えしましょう。
 菩提寺のお坊さまは、お盆の限られた期間中に全部の檀家と信徒のお家を一軒一軒
訪ねられて、ご回向されます。
お坊さまへの供養は三宝供養の一つ。 飲み物については、次々と何軒ものお家を
回られますので、お飲みにならない場合もあります。
しかし、お出しすること自体が三宝供養となるのです。

お盆は地獄の休日?

 正月と盆月の16日は、地獄の釜のふたがあいて、鬼たちの休日になり、
亡者がゆるされる日といわれます。
閣魔の縁日ともいわれ、古くから寺院で閣魔堂の開帳があり、地獄変相図が掛けられるのが
習わしでした。
 またこの両日を薮入りの日といい、商家の奉公人は休みをもらって実家に帰り、
親兄弟と、お盆には先祖の墓参やお寺(閣魔堂)に詣り、地獄変相図などを見たわけです。

 薮入りは墓参りから来たといわれます。古代、祖先の亡骸は草原や薮の中に多く
埋葬していたが、そのため子孫は一年に一度は生家に帰り、薮を押し分けて先祖の墓に
参ることになった。
それが薮入りの日になったそうです。

大施食会並び永代供養墓「慈愛」特別供養

 曹洞宗では施食会(せじきえ)といいますが、伝統的に施餓鬼会(せがきえ)または
お施餓鬼(おせがき)としています。
 施食会は、有縁の精霊、無縁の精霊に食べものを施し供養する法要です。施食会は
自分のご先祖さま方だけではなく、分け隔てないおおらかな広い心ですべての精霊に
供養する慈悲の真心からなるものです。
 お釈迦様から伝わる経文を唱えることによって何百億倍にも膨れ上がった食べ物を、
ありとあらゆる霊に施す法要です。
 本堂には、須弥壇(しゅみだん)と向かい合って施食棚が設けられ、「三界萬霊」
すなわち欲界・色界・無色界のありとあらゆる霊に数多くの食事や供え物が施されるのです。
 呪文を唱えながら方丈様が次々とお焼香してまいります。
 特に初盆を迎えられる施主家は、御親戚一同本堂に参詣して、大切な一時をお過ごし下さい。

 引き続き、永代供養墓「慈愛」に入っておられる霊位の特別読込供養を行います。

   日時 8月7日(火)  
       午前11時~ 大施食会法要
       引き続き    永代供養墓「慈愛」特別供養
                法話

       大施食会の詳細はこちら

餓鬼の意味

「餓鬼」という言葉から何を連想するでしょうか。
 やせ細った手足、どす黒い風貌、お腹だけが膨らんでいて飢えに苦しんでいる・・
そんなイメージでしょうか。
 けれども、元々はあまねく「死せるもの」を意味しました。そして、御先祖さまの霊はもとより、
供養に恵まれないあらゆる霊に施しをしてきたのです。

 これは死後世界の話ではありません。餓鬼とは、私たちの生き方なり生活なりを、
仏が言い当て教えようとしている戒めの言葉です。
 充分快適で豊かな生活は達成されたのに、それを他人のために使うのではなく、
止めどない欲望を繰り返している現在の私達の姿・・・。
 私もあなたも餓鬼として暮らしてませんか。
 本当は私たちが救われなければならないのです。

◎万灯会に祈りを込めて◎

 古くからお寺は多くの方々が集まる安らぎの場であり、
信仰の場でありました。
 今、なくなりつつある古(いにしえ)の縁日の情景、
父母や祖父母に手を引かれてお参りしたお寺・・・
 子供から大人までのすべての方が共に、大切なご先祖様の
御霊に感謝して、かけがえのない命の大切さを学んでいく・・・。
 その原点に戻って自分自身を見つめ直していていただきたいと
いう思いから、この法要が始まりました。
 さあ、新しくなった山門をくぐって、ご家族でお友だち皆様でお寺に
お参りください。

 日時 9月29日(土)雨天順延30日(日) 
    内容の詳細は後日お知らせします。

 

   秋彼岸万灯会の詳細はこちら