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楽法寺だより5月号

矢車に朝風強き幟かな

 

山々には新緑が芽生え、木々には鳥たちのさえずりが聞こえる
さわやかな5月の季節を迎えました。

この青空の下、悠々と泳ぐ鯉のぼりの姿が見えます。
風が吹けば大きな体をくねらせて、風がやめばゆっくりと休んでいます。
すべてを風に任せて、ありのまま悠々と泳ぐすがたを見ていますと
おおらかな心を持つ大切さを教えてくれているようです。

 

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おおらかな心、それを禅では大心といいます。
大心とはその心が高きこと山のごとく、広きこと海のごとくであり、
そこには一切の偏りの無い心のことを言います。

 

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我が宗門をお開きになった道元禅師は「典座教訓」(てんぞきょうくん)の中で
三つの心得を提唱されました。「喜心、老心、大心」の三心(さんしん)です。
典座(てんぞ)とは、修行僧たちの食事を司る役職のことであり、
いわば修行道場の炊事係りのことです。
その役職における訓誡を著したものが「典座教訓」です。

「喜心」とは、食を作り三宝に供養できる巡り合わせの因縁を感謝し、
他人の利益に供する喜びをもって勉める喜悦の心 。
「老心」とは、父母が切々と子を思い、我が身の寒さや熱さをうち忘れ、
子のすこやかなことを願いながらいつくしみ育てるような親切心。
「大心」とは、大きな山や大きな海のように高く広い思いをもち、
一方に片寄ったり固執せず差別することない平等で大きな心。

日常生活の中で、この三心を持つことによって日頃のイライラも
不安も解消できるのではないでしょうか。

鯉のぼりが教えてくれる大心。大いに受け止めていきましょう。

 

あらたふと  青葉若葉の 日の光

 

俳聖松尾芭蕉が詠んだ、「あらたふと青葉若葉の日の光」という俳句があります。
“あらたふと”とは、ああなんと尊いことかという感嘆の言葉であり、
芭蕉が、青葉若葉から降り注ぐ木漏れ日の光に感動し、
素直に手を合わせている姿がよく表現されています。
挨拶として「おかげさま」という言葉はよく使いますが、
心からおかげさまといただいているのかと問われると、単なる挨拶という答えが
多く返ってきそうです。

 

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私たちは、限りない大自然の恵みに生かされていますが、その大きな恵みに
気づかず、当たり前だと思っていることがほとんどではないでしょうか。
5月は、お釈迦様の誕生をお祝いする花まつりの行事が各寺院で行われます。
ご家族皆様で、お釈迦様並びご先祖様に、おかげの心を
しっかりいただく心からの合掌をいたしましょう。

 

 

釈尊降誕会 花まつり

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花まつりは、仏様の尊い教えをひろめ、苦しみ悩む人々を救おうとした
お釈迦さまの誕生を祝い、かけがえのない生命をいただいた御先祖様に感謝し、

お釈迦さまの智慧と慈悲の教えを信じて生きとし生けるものの命を大切にし、
幸せと平和をめざし、苦しみ悩むこの世の人々を助けてゆく気持ちをあらたにする法要です。
当寺ではかわいい白象に乗った花見堂を設置していますので、当日はかわいい誕生仏に
甘茶を濯がれ、御先祖様に感謝報恩の御供養をされますことを、心よりお待ち申し上げております。

 

平成26年5月8日(木)

 

一般花供養   午前9時~ 午後1時頃まで随時
経木塔婆に先祖様の戒名等を書きいれ、
本堂内でご供養し、山門横の釈迦堂で
水向けの供養をいたします。

午前10時30分頃 北条保育園児献花

 

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午前11時から12時頃までは
初花特別供養が行われますので、
一般花供養は初花特別供養の中で
一緒にご供養致します。

 

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供 養 料   1霊位  1,000円

 

申し込みされた方に甘茶(ティーパック)を
進呈いたします。御先祖様に御供え下さい。

 

初花特別供養  午前11時~
今年初花を迎えるご先祖をお持ちの方々への
特別供養となります。

 

永代供養墓「慈愛」永代供養後、花祭りの法話をいたします。
一般の方も是非ご参加下さい。

 

あめつちの中に我あり一人あり

 

お釈迦様は誕生されるや、東西南北の四方にそれぞれ七歩歩まれ、
右手を挙げて天を、左手を下げて地に指し、「天上天下唯我独尊」と言われたと
伝えられています。

 

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「天上天下唯我独尊(唯我ひとり尊し)」は、文字だけを逐って解釈すると
この広い宇宙の中で″私が最も勝れている″という意味です。
しかし、それは仏教的解釈ではありません。
唯我とは、絶対の一人ということです。絶対というのは、いつ、どこでも、
だれもが持っている価値を指します。
独尊とは比類のない尊さ、つまり“ほとけのいのち”のことです。
よって「天上天下唯我独尊」は、果てしなく広いこの宇宙に存在するすべてのものは、
みな、比類のないほとけのいのちを具えているから尊いのであると
お釈迦様は説いておられるのです。

 

 

甘茶の由来

 

花見堂の誕生仏に甘茶をかけるのは、釈迦誕生の時、九つの竜が天から清浄の水を注ぎ、
産湯を使わせたという伝説によるものです。正式には五種の香水を用いますが、
これを五香水または五色水といいます。
現在多く使われている甘茶は、山アジサイの一種でです。生の葉は苦くて甘みはありませんが、

 

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八月ごろに葉を採り、一晩寝かせてよくもみ上げて陰干しすると甘みが出て甘茶になるそうです。
また、甘みをますために漢方薬のカンゾウを用いるところもあります。
この甘茶で墨をすり、「虫」の一字か「音より卯月八日は吉日よ神さけ虫を成敗ぞする」と
書いた紙を便所に貼ると、うじが生じないなどといわれ、明治の頃までは、
竹筒を提げて甘茶をもらいに来る子供たちで賑わい、
また門前には竹筒を売る店がずらりと並んだといいます。